2017 0324 「セックス」

かなしい。久しぶりに心が沈んでいる。
「大好きだよ」
そう言ってくれたまなちゃんの言葉だけが甘い記憶だ。りょうたは本気で私を好きでいてくれたけれど、あまりにも健全な心過ぎた。それがいけなかった。苦い記憶だけ残る。何人かの男が私のことを可愛いと言ってくれたけれど、それは、セックスに漕ぎ付けるために放たれた、本当に本当に安い言葉だ。セックスをしても満たされないのは、身体だけ求められてるから。私はその人の心の底まで見ようとしているのに、相手は私の心の表面すらも見ようとしない。いっぽうつうこう。セックスをするひと、ひとりひとりに私は片思いに似たものを持っている。だから、つかれる。セックスは、つかれる。やさしいセックスがしたい。
昼過ぎの、太陽の光であたたまった布団、柔らかい髪の毛、ふわふわとした身体、カーテンから差し込むひかり、が、必要だ。
ラブホテルのギラギラとした、とぎつい光や、
夜、冷めた体温で触れ合ってもなかなか温まらない重なった身体なんて、心をもった人間のすることじゃない。
「鼻血でた」
サブカル君から、そう、ラインが来た。それをみて、またか、ふふふ、と自然と笑ってしまう。片思いだ。サブカル君にもDJ君にもチバさんにも建築家君にも小学校の先生君にも、片思いと似たようなことをしている。それは、つかれるのも当たり前だ。