2016 0502 「高円寺」

高円寺。商店街の中の、ビビットピンクや、カラーライトで照らされた看板の一角が何とも言えない独特の世界を醸し出している。私の知らない世界がそこには確かに存在していた。
知らない世界を知ると世界が広がるとは、このようなことをいうのかと、誰かが言った言葉を自分のものにする。自分の本当の好きなものが分かり、選ばれた感性たちが恋しくなる。また、知らない世界を知るということは、人間の深さを感じるということでもあるだろう。お互い、同じ社会にいるようにみえて、違う社会の中で生きている。
知らない世界、ないように見えて存在している限り、私はまだ死ねない。新しい世界を知ろうというような明るい言葉でまとめるようなことではなく、深く深くを探って行くのだ。あと、もし長生きして上手に歳を重ねられたら高円寺で洋服を買おうと思った。新しい世界に私はすでに踏み込んでいるのかもしれない。