さみしさは あまりにも伝わらない

老夫婦がやっている 商店

静岡おでん は真っ黒い

おいしくないよ と おじいさんは言った

わたしは また言葉をうしなった

人の気持ちがわかるなど 

根拠もなしに

勝手に思い込んで走り出してる

それだけがわかると思っていたのに

ほんとうの 孤独

話しかけたのは さみしさをうめるため

愛など そこには存在しない いちばん 秋の匂いを感じ取れるのは この世でわたししかいないなど 不束者ですが など 謙虚を気取る 悪魔

悪い事をする人は おてんとさまが 見てるらしいです 

 

秋の匂いが まだのこっている

子供の頃に感じたさみしさが また きみを襲っている さみしさは涙なんか軽いもので濡れてはいない 部屋にあるカーテンがなんなのか分からなくなったとき きみの存在は暴力にも満たない そこには何もない 殺さないで しにたくない きみが作り上げた秋が ただ 本の中にいるだけ きみは 本から抜け出さないで 一生そこで 生きるのね