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嘔吐物は汚い。シャンプーの匂いがする髪の毛は美しい。それは本当か。シャンプーの良い香りがする女より、嘔吐物を美しいと言った人間がこの世の中にいる。
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小説の主人公になるのは愚かだ と 異質なものから教訓を得た気になる。しかし 脇役と言われる人物は 他の小説では主人公かもしれないね。大人になると感受性が失われると度々言われるしかし 感受性が失われたものも 小説の中には登場しているのが 唯一の頼りだ あの子が飲んだクリームソーダの絵を 他の人と同じように見ているのは 楽だけれど 裁かれなければならないと 神を綺麗に殺してから 神を崇めたがる癖 指先の皮を剥く癖 小さい血が流れていた 小さい手の男の子が 大手町で降りた 軽そうにみえる黒いリュック 本当に何も入ってない 同情を入れたいと思ったけれど 軽すぎて なにがなんだかわからなくなっちゃった わからなくなっちゃった 迷子 でももう大きくなっちゃったから迷子センターは行けないの せめて逃げる場所が欲しい でももう逃げる場所でも迷子になっちゃった だから逃げる場所のための逃げる場所がひつようなの 脇役のそのまた脇役が辿り着く先はどこなのかな googleで検索してもヒットしなかったから安心しました。
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獺祭という日本酒があって 獺祭50 とか 獺祭遠心分離 とか とりあえずランクによって種類がいくつかある 思い出したから書きたくなる日本酒は 物質だから良いけれど もし日本酒が人間みたいに触れたら身震いしてしまうような冷たさを持ち合わせていたとしたら きっと 書いたら消えてしまうでしょうね と思ってしまうんです 忘却曲線を描いて それは無意識に あの頃の日本酒と 今の日本酒 月日が流れて その場 その場で見る日本酒が パッケージは同様で 味も同様なんでしょうね でも本当のところは違うんじゃないか そう考えるとようちえんに戻ったみたいになるけれど 幼稚園生だと流石にもう生きていけないらしいので ここまでの文章を男が女を快楽へ誘う際に 服の上から撫でる言い訳として上手に使って下さい。
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窓を開けないと眠れないというのは嘘かもしれないし真実かもしれないし嘘に近い真実かもしれないし 嘘でも真実でもないかもしれないし というのを一言で言ってね と優しく微笑まれた日が蓄積して 重い鎖が足に絡まり付いて身動きが取れなくなった猫を 行政人がお薬を打って安定させてあげようと 上司に電話してるのを見て 腕をプラプラさせながら待つことが1番楽かもしれない